公立の中学校の場合、高校受験までに、教科書の範囲がすべて授業で消化されていないケースがたびたびあります。特に、学校が荒れていて授業がなかなか進まなかったり、教師の指導力が不足していて授業の速さが入試に間に合わなかったりした場合などに多く見られる現象です。とりわけ、私立高校の受験は早めにスタートするので、学校の教科書の範囲がすべて終わっていないままに私立高校の受験本番に臨むケースも少なくありません。 たとえば、社会で言えば公民の教科書の終わりのほうの単元、理科で言えば、それぞれの学校によって、1分野の教科書か2分野の教科書のどちらかの教科書の終わりの単元など、それらの部分が十分に授業がなされていないままに受験を迎えるケースが少なくなく、そのことから焦ってしまうケースが少なくありません。 ただし、一般的に、授業が終わっていなくて学習していない単元は、他の学校でもその単元の授業が終わっていなかったり、あるいはその単元の授業が終わっていなくても、その単元の授業は習ってすぐの範囲であるために受験レベルにまで理解して定着出来ている人が少なかったりするということがいえます。もちろん、それらの単元を事前に学習して短期間で受験レベルの力を身につければ、他の人より有利にはなりますが、そのことに気を取られすぎていると、1年生や2年生で学習した既習範囲の復習がおろそかになってしまう可能性もあります。 高校受験においては、1年生や2年生で学習した既習範囲の復習は非常に大切です。既習範囲は確実に授業で一回は学習した後の範囲なので、自力で復習もできますし、学習してから時間が経っている内容なので、十分に学習を定着できる範囲でもあります。その部分の知識を十分に定着させて確実に問題を解けるようにしておくことがまずは重要です。そのことをおろそかにして、3年生の終わりの単元ばかりに気を取られすぎてしまい、確実に問題を解けるようになっておくべき範囲も中途半端のままで受験を迎えてしまう事こそが、最も危惧すべき状況だといえます。 3年生の終わりの頃には、解けない問題を新しく解けるようにすることよりも、今の力で解ける問題を確実に解けるようにしておくことや、単純なミスを減らすことに重点をおいて、基本的な部分を復習する事こそが、受験の本番に役立つ学習につながります。
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